産業技術総合研究所

化学物質の爆発安全情報データベース

安全科学研究部門  爆発安全研究グループ

3 水との反応性試験

3.1 試験の日的

  本試験は、固体又は液体の物品が水と接触して発火し、又は可燃性ガスを発生する危険性を判断することを目的とする。

3.2 器具及び装置

(1)ビーカー
   容量500cm3のもの
(2)ろ紙
   直径7cmのもの
(3)ろ紙沈下防止台
   水面にろ紙が浮いた状態に保持できるもの


ろ紙沈下防止台(口を上に向けたビーカー(容量100ml))

試験器具

(4)着火器具
  先端が棒状の着火器具(燃料として液化石油ガスを用いるもの)
(5)ガス発生量測定装置(図3・2参照)
  ア 丸底フラスコ
    容量100cm3のもの
  イ 滴下ロート
    容量100cm3のもの
  ウ ウォーターバス
  エ 加熱装置付きスターラー
  オ 球形かくはん子(直径12mm)
  カ ガス捕集器具
    (ア) 発生ガスが非水溶性の場合:ビュレット
    (イ) 発生ガスが水溶性の場合 :プラスチック袋及びシリンジ

(6)ストップウオッチ

ガス発生量測定装置

3.3 試験物品の調整

(1)保存容器中に保存されているものは、保存容器を開封後、直ちに試験に供する。
(2)保護液中に保存されているものは、保護液をろ紙を用いてできるだけ除去し、直ちに試験に供する。

3.4 試験場所

(1)試験場所は、大気圧下の無風に近い状態の場所とする。
  (注)燃焼により、有害ガスが発生するおそれのある場合は、換気設備のある場所とすること。
  (注)燃焼の判断の困難な場合は、試験場所を暗くすること。

(2)温度及び湿度の調整
   試験場所の温度及び湿度は次の条件に適合するよう調整する。
  ア 温度 20±5℃
  イ 湿度 50±10%

(3)記録
   温度及び湿度は、試験開始前及び試験終了後に測定し、記録する。

3.5 試験方法

(1)ア 容量500cm3のビーカーの底にろ紙沈下防止台を置き、台の上面近くまで20±5℃の純水を入れる。
   (注)純水はイオン交換水又は蒸留水を用いること。
  イ 台の上面にろ紙(直径7cm)を置き、ろ紙が水面に浮いた状態となるよう純水を追加する。
  ウ 次の量の試験物品をはかりとり、ろ紙の中央に置き、発生ガスが自然発火するか否かを観察する。
   (ア)固体の場合は、ろ紙上に置いたとき、直径が約2mmとなる量
   (イ)液体の場合は、5mm3(0.005ml)
  エ ウにおいて、自然発火が認められない場合は、新たな試験物品を用いて、同様の操作を合計5回繰り返す。
   (注)1回でも自然発火が認められた場合は、以後の試験は省略できる。
   (注)自然発火が認められない場合は、ガスの発性の有無を確認すること。 

ろ紙上に試料(固体)を置いたところ

 オ 自然発火が認められず、かつ、ガスの発生が確認された場合は、着火器具を用いて、小炎を発生ガスに近づけ、発生ガスが着火するか否かを観察する。
  (注)着火の判断が困難な場合は、試験場所を暗くして観察すること。
  (注)上記の確認はガスの発生状態において、小炎による着火の有無を確認すればよく、分析等で発生ガスが可燃性ガスであることを確認する必要はない。

(2)(1)において自然発火が認められなかった場合は、試験物品の量を次のように増加して、(1)の手順に従い試験を行う。
  ただし、(1)において、発生するガスが着火することが確認されている場合には、(1)オの確認は必要としない。
  ア 固体の場合は、ろ紙上に置いたとき直径が約4mmとなる量
  イ 液体の場合は、50mm3(0.05ml)

(3)(2)において自然発火が認められず、かつ、ガスの発生が認められないか又は発生ガスに着火が認められない場合は、次の操作により発生ガス量の測定を行う。
  ア 試験前の準備

  本試験は、試験物品が水と反応して可燃性ガスを発生する場合、その発生量を測定することを目的としている。従って、水との反応によって発生するガスが既知の場合はよいが、不明の場合は、予備試験で、発生ガスが可燃性であるか否か、又、可燃性である場合は水溶性であるか否かを検知管、ガスクロマトグラフ及びその他の手段で確認する必要がある。
 (注)発生ガスが非可燃性であることが確認された場合は、試験を行う必要はない。

  イ 試験方法

  (ア)発生ガス量測定装置(図3・2参照)の滴下ロート以外の所定の箇所に水を入れる。
   (注)水の温度は20±5℃(試験場所の温度条件)とすること。
  (イ)ウォーターバス中の水の温度を40℃に加熱する。
  (ウ)40℃の純水50cm3を滴下ロートに入れる。
   (注)純水はイオン交換水又は蒸留水を使用すること。
  (エ)丸底フラスコ(容量100cm3)に2gの試験物品を入れる。
  (オ)滴下ロート中の純水を速やかに丸底フラスコに加えるとともに、スターラーにより攪拌を開始する。
  (カ)発生ガス量を1時間ごとに5時間にわたって測定し、記録する。
   (注)発生ガス量の測定は
     ① 非水溶性ガスの場合は、ビューレット等を用いた水上置換
     ② 水溶性ガスの場合は、気密なプラスチック袋等に補集し、ガスをシリンジで吸い取ること。
   (注)試験物品が水と完全に反応し、ガスの発生が認められなくなった場合は、その時点で試験を終了してよい。

  ウ 発生ガス量の算出

  (ア)1回の試験における発生ガス量は各1時間当りの発生量を試験物品1kg当たりに換算し、そのうちの最大量とする。
  (イ)測定は5回行い、各試験の発生ガス量のうちの最大量を試験物品の発生ガス量とする。

3.6 結果の評価

(1)3.5.1(1)又は(2)において自然発火したものは、ランク①とする。
(2)3.5.1(1)又は(2)において小炎により着火したものは、ランク②とする。